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Ⅱ
今日も疲れた体を引きずり我が家へ帰る。
何もしたくない。
のんびりしたい。
バルムの設定を郊外のピクニックにする。
部屋中、花と草の香りが広がる。
野原に寝転がって広がる青い空を眺めていた。
「セイヤ、はいお茶だよ」
「ありがとう、リリィ」
いっしょに寝転がっていたリリィが気を効かせる。
「素敵なところね。私の好きなお花がいっぱい」
リリィがニコニコしながら花の匂いを嗅いでいる。
「好きな花って?」
リリィがうす紫の星のような花を指差す。
「名前は知らないけどなんだか好きなんだ。道端に咲いてたのをみたことがあるの」
誰かの記憶を反映しているのだろうか。それでもそんなリリィがかわいいと思える。
「ここにして良かったよ。また来ような、リリィ」
「うん!」
気がついたらいつのまにか寝てしまっていた。
もう朝だ。
野原もリリィもいない。
自動的に住人の様子を判断してバルムが切れるようになっている。
薄暗いバルムの部屋を出てカーテンを開ける。
朝日がまぶしい。
今日も気の重い仕事が待っている。
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