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 何にもしたくない。バルムにさえ行きたくない。そんな日もある。  くたくたになって、ベッドに潜り込むのが精一杯なやるせない日々を過ごす。  やっと仕事が一段落した。久しぶりに癒されたい。  バルムに入ったとき、違和感を感じた。  それが何かはわからなかった。  リリィは相変わらずかわいいし、部屋に風は吹く。  なんだろう  考え込んでいる様子をリリィが不思議な顔でみつめていた。 「セイヤ、どうかした?」 「この部屋、変わったことなかったかい?」 「え~、何にもないわよ。何かあったら私、住めないもの」  確かにリリィはそうだよな。  まあ、いい。  気のせいだ。きっと疲れているせいだろう。    「リリィ今日は早く寝るよ」  「わかったわ。おやすみなさい、セイ…」 ジジッ  リリィがざらざらした画像になって揺らめいた。 「リリィ?」 「セイヤ、なんか手が透けて見えるよ」 ブッッ  いきなり電気が消えて真っ暗になった。 「リリィ!」  停電だ。  この界隈じゃ当たり前のことだ。  けれど今回はこのバルムの部屋だけらしい。  故障か。  とりあえず管理会社に連絡する。  いつ修理に来るかわからないけどな。
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