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 修理屋が来るまで何もしないのも落ち着かない。  懐中電灯をやっと探しだして暗いバルムの部屋を物色する。  備え付けのチェアと小さなテーブルはそのまま。壁際をゆっくり照らして見る。 「あれ?」  奥の壁と床の隙間の間に何かある。小さなひび割れか。  “くそ、欠陥品を割り当てられたのか”  でも、借りるときには隅々まで点検したはずだ。そんなものはなかった。  近寄いてよく見ようと思った時に玄関のベルが鳴る。   「ちわ~修理屋です。」  この界隈にこんなに早くサービスが来るなんて奇跡だ。 「早く直してくれ」 「申し訳ございません。すぐ修理いたしますんで」  挨拶もそこそこに、修理屋はバルムの部屋へ入っていった。   「またか」  部屋の奥から声が漏れた。  “え?”  またってなんだ。俺はあわてて部屋へ入っていく。  さっき見つけたひび割れ辺りに修理屋が明かりを照らして唸っている。  覗きこんだ。   ”花だ!“    小さな花が壁のひび割れからほそぼそと咲いていた。  ”見覚えがあるぞ“  前にピクニック設定をしたときにリリィが好きだと言っていた花だ。  土も何もないっていうのに、いったいどこから来たんだ?  
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