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「何で?」  修理屋が怪訝な顔で立ち尽くす。 「おいおい、何でって聞きたいのはこっちだぞ」  修理屋はなんともいえない顔のまま俺に告げた。 「…お客様、申し訳ございませんが、しばらくバルムのご利用を我慢していただくか、他の部屋への移動を願うかしかございません。」  深々とお辞儀をされたが、納得がいかない。 「あの花はなんなのだ」 「こちらでも原因不明の現象でして」真顔でにこりともしない。 「あの壁ごと張り替えるしか方法がございません。その工事期間、我慢していただけるならば、改めて工事の手配をいたします」 このバージョンの部屋なんてなかなかないんだぞ。 「俺はリリィが…!」 「この部屋が気に入ってんだ!とっとと工事の手配しろよ」  修理屋はニヤリとした後、あわてて申し訳なさそうに言う。 「恐れ入ります。工事にあたって、バーチャルのリニューアルしなくてはなりません。キャラクター設定など変わりますがそれでも?」 キャラクターが変わる? 変わる? リリィがいなくなるのか。 「このバージョンの、部屋を紹介しろ!なら許してやる」 修理屋は残念そうに答えた。 「恐れ入ります。このバージョンは廃止の方向ですので、もし見つかったとしてもわずかなあいだとなります。同じ現象がバルムを使い始めてからトータル3年未満で起こっているものですから」  俺が住む前、長いこと女性が借りていたらしい。俺が住み始めてからは確かに3年位たってはいる。おかしいじゃないか!  なんで3年なんだ!  もうリリィに会えないのか?  なんで花が!    花が…
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