降る雪のように

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降る雪のように

 その年は、一月の半ばを過ぎても雪を見ない暖かい冬だった。  喫茶「うぃろう」を営む柳田は、いつものように朝八時に店を開けた。  朝方の常連がいつものようにぞろぞろとやってきて世間話に花を咲かせた。  雪を見かけないと何となく調子が狂う。そんな話が主だった。  もともと雪の降る土地でもないが、毎年一度か二度は降るものだから、そう言う意味では異常だ。  この日も朝から良い天気で、雪など降りそうに無かった。
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