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「本当に知らないの? 先月の中頃……十三日だったかな、事故で。わたしも鈴木くんから聞いて知ったんだけどさ。病院に運ばれたけど、すぐ亡くなったみたい。なんか、飲酒運転だったって。……鈴木くんが言ってたけど、辰夫くん、みんなにお金借りてまわってたんだって。相当お金に困ってたらしいから、もしかしたらジサツじゃないかーとか噂になってる……」 「ええ……? 全然知らなかった……。事故って、どの辺で?」 「ほら、国道沿いにファミレスあるじゃない、×××って。そこの駐車場から出ようとして……らしいよ」 「……」  先月の十三日……。辰夫がわたしを呼び出した日だ。  まさかそんなことになってたなんて。  じゃあわたしを呼び出したのも、やっぱりお金のことだったのか。  こういってはなんだけれど、もし呼び出しに応じてノコノコ行っていたらどうなっていたことか。もしかしたらその事故に巻き込まれていた可能性だってある。  わたしがそう言うと、麻子は若干青くなって黙り込んでいた。  わたしもつられて黙り込む。
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