第一章 ウインナー珈琲

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『いくら何でも遅い、こりゃあ、もう来んわ』と僕が言うと松葉が何か閃いたようで「ちよっと待って、こんなかに入っとるかも知れん」と珈琲のあわかっぽの中を小さなスプーンでカチャカチャとかき回し始めた。 つられて僕もチャポチャポと探したが、見つからない。 「やっぱ無いなあ?あの子忘れとるんかな?」 「どうする?言うて見ようか?」と言う松葉を諭し、『もしかしたらこれはこんな珈琲かも知れんぞ』と予感を松葉に伝えた。
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