20人が本棚に入れています
本棚に追加
「やけに偉そうな雰囲気だしやがるな…どう見ても年下のガキにしか見えないが?」
「私はリデル。ガキじゃないわよ。18歳でもう立派なレディー!失礼しちゃうわね」
「リデル?ファミリーネームみたいな名前だな。俺はリチャード、リチャード・F・ターナー。アメリカで私立探偵をやっている。どうぞ気軽にディックと呼んでくれ。って18歳てやっぱガキじゃねーか。レディーにはちと早いぜ?」
ディックは苦笑しながら言った。リデルはディックの言葉に思わずムッとする。ムッとしながら少し嬉しくなっていた。会話が成立する事の素晴らしさに感動していたのだ。
「ファミリーネーム?て何よそれ!?てゆーか、あなただってリチャードって名前なのになんでディックって呼ばせようとするのよ!何なの?馬鹿なの?リチャードでいいじゃない!」
リデルは自分の名前を侮辱されたことに腹を立て、声を荒げていった。別に喧嘩をしたいわけではなかったが、今まで我慢していた反動が出たのか感情のコントロールが出来なくなっていた。怒りのままに感情をディックにぶつけながら涙が零れそうになるのを必死に堪えていた。
悲しいのではない。嬉しいのだ。リデルはずっと独りだった。孤独感に潰されてしまわないように必死に自分を奮い立たせてここまで来た。やっと出会えた人間。彼がどういう人間なのかは分からない。だから、もっと知りたいと思った。
「はぁ?英語圏ではリチャードの愛称はディックだろうが。お前が喋ってるのは何語だ?」
ディックは呆れた表情を浮かべながらリデルの頭をポンと叩いた。
「愛称?なにそれ?」
「…頭大丈夫か?お前、この国でも愛称を使っていたはずだぜ?まぁいいや。リデル、お前はなんも考えずに俺をディックと呼べばいい。簡単な話だ。分かったか?」
ディックはリデルの頭をワシャワシャと子供にするように撫でまわした。その表情はどこか嬉しそうだった。彼もまた、リデルと同じように生きている人間に出会えたことを喜んでいるのだろう。
「やめてよ!髪がぐちゃぐちゃになるじゃない!」
リデルはディックをねめつけながら言った。
最初のコメントを投稿しよう!