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「え?…あ!」
リデルはディックの問いに自分が何を言った気が付いた。リデルは顔が更に紅潮し両手を左右に振って、何でもない、と否定しプイっとディックに背を向ける。深呼吸しながら気持ちを落ち着けようと試みるが一度高鳴った胸の鼓動はすぐには静まってはくれないらしい。
ーー落ち着け…落ち着けー。こんな事してる場合じゃない。ここから出る方法を探すのよ。そう!集中するのよリデル!
リデルはそう自分に言い聞かせながら、聖堂の中を見渡した。するとキラリと何かが光った気がした。その光は微かな明滅を繰り返している。
「なんだろう?」
リデルは光っている物がなんであるか確かめたくなった。ソレは椅子の上に置いてあった小さなブロンズで出来た何かのパーツだった。このパーツがなぜ光っていたのかは分からない。ただ、手に取ると同時に光は失せてしまった。リデルは首をかしげながら他にないか辺りを見回す。するといくつもの光を確認できた。それをリデルは集めることにした。
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