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「寒ぃし腹減ったしめんどくせーよ。閉店間際の配達とかマジだりぃ~」 「酒屋の息子が言うことか。とっとと行ってこいよ」 「つか、伊崎のばあちゃん来たんだろ?今日の昼間に。そん時注文すりゃあいいのに……」  「明日お孫さんが来るんだと」 「へっ。そういや世間じゃ冬休みか」 「で、ジュース用意するの忘れてたっつってな、なんかのんびり慌ててたよ」  のんびり慌ててたねぇ……。あのばあちゃんらしいっつーか呑気なご身分というか。  息子に指示するだけ指示して、一升瓶片手にさっさと部屋に上がろうとする親父もまぁ呑気なご身分だけど。 「それにばあちゃん、お前に言ってたぞ」 「んあ?」 「家ん中閉じこもってねーで外出ろってよ」 「は」  うるせー。いつの話してんだ。  もう6年も前だっつーの。  居心地の悪くなった俺は、一升瓶親父に舌打ち交じりに「バヤリースでいいんだよな」とぼやき、陳列からオレンジ、アップル、ぶどうの3本のペットボトルを抱えた。  ……いくらお孫さんが大挙してやって来るとはいえ……こんなに要るか?
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