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 昔ながらの酒屋。コンビニのなり損ないみてぇな小せぇ店──それがうちだ。  家族経営、代々の後継ぎ。  店番と配達は常だが、御用聞きなんてのはここんとこ年寄りの家数件になってきた。 (さっ……ぶぅ~!!)  外に出るなり心の悲鳴をあげながら、ネックウォーマーとヘルメットを身に着けた俺は表に停めてあるカブを引っ張り出す。  品物を積んで跨がり、エンジンを吹かした。  震えるマフラーに応えてやるように、「もう少し頑張ってね~」と愛車を労いながらグリップを握る。  発進させると、単に外に出たのとじゃ比にならないくらいの冷たい風が、顔の晒された皮膚に激しく吹きつけた。
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