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回想（６年前）
俺はこう見えて、元引きこもり少年だ。
６年前。高校時代の話だ。
春先に原付で事故を起こしてしばらく学校を休み──というか入学早々、校則違反の原付登校で停学を食らった。
……言っとくけど無免じゃねーからな。俺４月２日生まれだから、春休み中に免許取得済みだし。
ケガと停学が明けた頃に久々に学校に行くと、そこはもはや浦島太郎状態で。
中学時代はアホやればやるほどヒーローになれたけど、高校行くとどうだ。
白い目。白い目。ヒソヒソ。ヒソヒソ。
『何こいつ、バカなの？』
『入学早々やっちゃったよね』
『関わりたくねー…』
『何でそんな奴がうちの高校なんだよ』
『ホントに試験受けたの？そいつ』
何だこいつら。
言いたいことあんなら影でヒソヒソ言ってねぇで直接来いや。
試験？
ちゃんと受けたに決まってんだろーが、じゃなきゃ何で入学できんだよ。
確かに中学の頃の俺は内申も評定もクソ最悪だったけど、血ヘド吐くようなクソ猛勉強して突破したわクソ。
入学早々、遅刻しそうになったからって原付登校したのは確かにアホだったけどよ。
しかも事故ったとか目も当てられねーし。
だけど、俺と同じ学力のくせに頭のいいお坊っちゃま面してるお前らは一体何様なんだよ。
──…って逆ギレまでかました挙げ句、結局やってらんねってなって、学校行くのもクソ億劫になって。
まぁ、有り体に言うと、心が折れたんだわ。
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