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二人で手を洗っていたとき、お姉さんのおなかが鳴った。私も。
買い物するの忘れてた。
外は雪がきつくなっている。また出掛けるのは嫌だ。
「晩御飯にケーキ食べようか?」
家にまで連れて来て、ご飯の用意もできない私にお姉さんは言ってくれた。
「クリスマスだもん、ご飯がケーキでもいいじゃない」
チチのビールはある。ハハのチューハイもあった。
お姉さんにビールを渡して、私はコーヒーをいれて[angel]のケーキをテーブルの上に置いた。フォーク2本と。
「このまま食べるの?オトコマエだねぇ」
ぶっ刺して食べたい、そんなことがしてみたくなっていた。
ソウくんが合格してたら、ちゃんと切って一番いいお皿に入れて、並んで座ってラブラブで食べたはずなのに。
「毎年、クリスマスケーキは[angel]なの?リッチだねぇ」
フォークを持ちながら、お姉さんは最初にぶっ刺す権利は私にあるよという感じの視線を投げてくれる。
「違います。スーパーのです」
そう答えてフォークを刺しながら、また涙出てきた。
二人でホールのケーキを切りもせずに大胆に食べながら、私はソウくんがワルイ話をお姉さんにしていた。
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