2.現場検証とお仕置き

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「さてさて、」  コホンと軽く咳払いをしてコーヒーを口許に運びながら話を続ける。 「人の家のものを勝手に持っていくのは如何なものかな?キース。」 「おいおい、なんのことだよ。俺にはさっぱり分からねーな。」 「あくまでしらを切るつもりですか。」 お互いに読めぬ顔で微笑み合う。 穏やかな空気のなか、イシュカが苦々しい顔でコーヒーを運んできた。 「どーぞっ!」 ガチャンと音を立ててキースの前に置く。 「うーん、良い匂いだ。」 クンクンと長い鼻でコーヒーの香りを堪能した後、ズズっと一口。 「しょっぱ!!うげー。おぃイシュカ!やりやがったな!!」 「あれれー?お砂糖とお塩間違えちゃったのかなー?ごめんねキース。」 くるん、くるん、と円を描くように飛びながらとぼけたようにイシュカが言う。 「おい!アロガ!使い魔の教育がなってないぞ!」 テーブルの上の布巾で舌を拭きながらキースが怒鳴る。 「これは申し訳ない。君に失礼なことをしてしまったからには君のマスターにもお詫びに行かなければね。」 「い゛!いやー、わざわざそこまでしてもらう程じゃねーよ。イシュカもちょっと間違えただけだもんな。な?」 慌ててそうイシュカに問うキース。 でもイシュカは申し訳なさそうな顔をして(尻尾は上を向いてフリフリと揺れながら)僕に言う。 「そうだね、マスター!一緒にキースのお家に謝りに行ってくれる?」 「もちろんだとも。」 「わー!!!」 慌ててキースが入口の木戸に立ち塞がる。
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