蘇生

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私はすでに死んでいる。多分。 熱を測ったら体温計は6度を表示するし、心臓の鼓動も感じられない。死んだ人間も診てくれるかしら?そう思いながら、とりあえず病院に行くことにした。 だけど、頭がフラフラしてうまく歩けない。私がよろめいていると、男の人が現れて「大丈夫?」と手を差しのべてくれた。 私の手を取った男の人は、その手の冷たさに驚いた顔を見せる。私は慌てて手を引っ込めようとしたが、男の人はニコッと優しく微笑むと、私の手をギュッと握って温めてくれた。 ドキッ。 止まっていた心臓が、再び、動き始めた。
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