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良は僕の4つ上の幼馴染だ。
どっちかというと地味で暗めな人間である僕とイケメンであり人が集まってくる良が仲良くなるのを周囲の人からすれば不思議だったんじゃないだろうか。
家が近所で、母親同士が元々面識があったこともあり子供の頃からの付き合いだ。
小さいときは良兄、拓ちゃんなんて呼んでたりもして、何かお互い馬が合った幼馴染と過ごす時間は多く小さいときの思い出にはいつもとなりに良がいた。
自然と年を重ねていくと4つ違うと環境が共有できず以前のような近さはなくなっていった。
華がある良には色々付き合いもあるのだろうと当時の僕は思っていた。
お互いの呼び名も良、拓海と変化していったがそれは距離が離れていったという感覚ではなく、成長と共に起こりうる自然な流れであると少なくとも拓海は思っていた。
だから良が高校に入学したあたりから良の家に行かなくなって外で遊ぶようになったり、良の母親にあまり会わなくなったのも不思議に思っていなかった。
良の方は明確に意図があってそういった行動をとっていたのだけれども。
あるいは僕にもう少し思慮深さがあれば気づくことはできたのかもしれない。
そして良が19歳、僕が15歳のときに事件は起きたのだった。
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