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「璃桜,今日は,ママと一緒に遊ぼっか」
「んゅ?あまねくんのとこは?」
「んー行く予定だったけど…璃桜泣き過ぎて,汗ベタベタになってるし,ママ,作業中は璃桜の傍に居てあげれないかも…だから…」
「しょばにいにゃいの?」
「うん…仕事の内容によっては,傍n…」
「やぁ〜。しょばにいてくえなきゃ…やぁ…」
璃桜くんが,『ぎゅうーっ』っと力一杯に,あたしの首へと抱きついて来たのだ。
「ん。だから,今日はお家で,ママと一緒に遊ぼうね」
「いっちょにあしょぶ〜。でも…あまねくん,おこっえない?」
璃桜くんが眉をハの字にして聞いてくる。
「大丈夫。編集長…天音くんには,ちゃんと連絡したから。」
あたしは,眉をハの字にして見つめて来た璃桜くんに,額を『コツンっ』っと当てて微笑み返した。
その時だった…。あたしのスマホが着信を知らせる音が,サロン中に鳴り響いた。
「んゅ?ママのおでんわ,なっちぇゆ?」
「みたいだね。ちょっと,ごめんね。」
あたしは,相手を確認した後,間髪入れずに電話に出た。
電話へ出て少ししてから,あたしは電話相手にビデオ通話に切り替えて貰える様に頼んだ。
最初,電話の相手も不思議そうにしていたが,何も聞かずにビデオ通話に切り替えてくれた。
{おぉ〜!!璃桜くんじゃないか!!}
「んゅっ?あまねくんだぁ〜。」
{璃桜くん,またいつでも遊びにおいで。待ってるからな。}
「あまねくん,おこっえにゃい?」
{怒る?}
『コクコク…』
{何も怒ってないよ。}
「ほんちょ?」
{本当だよ。だから,いつでも遊びにおいで}
「うん♪ありやと」
編集長と,電話とは言え,直接話せた事が良かったのか,ハの字になっていた眉も,いつの間にか元に戻って居たのだ。
「ココちゃん,電話の相手…もしかして,十時さん?」
「はい。そうです。」
「電話,ちょっと変わってくれる?」
あたしは,慎さんの言葉に,首を傾げたが,ビデオ通話のままだったので,今の会話が編集長にも聞こえてたらしく,編集長も慎さんに変わる事を快諾してくれた。
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