>>8 指輪と慎さんのbirthdayと初めての…

29/52
前へ
/264ページ
次へ
「璃桜,今日は,ママと一緒に遊ぼっか」 「んゅ?あまねくんのとこは?」 「んー行く予定だったけど…璃桜泣き過ぎて,汗ベタベタになってるし,ママ,作業中は璃桜の傍に居てあげれないかも…だから…」 「しょばにいにゃいの?」 「うん…仕事の内容によっては,傍n…」 「やぁ〜。しょばにいてくえなきゃ…やぁ…」 璃桜くんが,『ぎゅうーっ』っと力一杯に,あたしの首へと抱きついて来たのだ。 「ん。だから,今日はお家で,ママと一緒に遊ぼうね」 「いっちょにあしょぶ〜。でも…あまねくん,おこっえない?」 璃桜くんが眉をハの字にして聞いてくる。 「大丈夫。編集長…天音くんには,ちゃんと連絡したから。」 あたしは,眉をハの字にして見つめて来た璃桜くんに,額を『コツンっ』っと当てて微笑み返した。 その時だった…。あたしのスマホが着信を知らせる音が,サロン中に鳴り響いた。 「んゅ?ママのおでんわ,なっちぇゆ?」 「みたいだね。ちょっと,ごめんね。」 あたしは,相手を確認した後,間髪入れずに電話に出た。 電話へ出て少ししてから,あたしは電話相手にビデオ通話に切り替えて貰える様に頼んだ。 最初,電話の相手も不思議そうにしていたが,何も聞かずにビデオ通話に切り替えてくれた。 {おぉ〜!!璃桜くんじゃないか!!} 「んゅっ?あまねくんだぁ〜。」 {璃桜くん,またいつでも遊びにおいで。待ってるからな。} 「あまねくん,おこっえにゃい?」 {怒る?} 『コクコク…』 {何も怒ってないよ。} 「ほんちょ?」 {本当だよ。だから,いつでも遊びにおいで} 「うん♪ありやと」 編集長と,電話とは言え,直接話せた事が良かったのか,ハの字になっていた眉も,いつの間にか元に戻って居たのだ。 「ココちゃん,電話の相手…もしかして,十時さん?」 「はい。そうです。」 「電話,ちょっと変わってくれる?」 あたしは,慎さんの言葉に,首を傾げたが,ビデオ通話のままだったので,今の会話が編集長にも聞こえてたらしく,編集長も慎さんに変わる事を快諾してくれた。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

230人が本棚に入れています
本棚に追加