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「璃桜〜お待たせ〜」
「んゅ? ママ,しょえなに?」
璃桜くんが興味津々気味に,あたしに近ずいて来る。
「コレはね〜手作りのアクセサリーや雑貨を作る材料が入ったキットだよぉ〜。璃桜,こういうの好きかな?っと思って前に買い物行った時に,コソッと買っておいたの」
「ボク,ちゅくゆ〜♪」
「きっとそう言う思った。良かった。買っておいて。じゃぁ,ママと一緒にしよっか」
「うん,しゅゆ〜♪」
璃桜くんは,リビングテーブルの方へと真っ先に行く。余っ程楽しみなのだろう…。
中身を箱から出すと,璃桜くんの目がキラキラと輝いていて,声を出して笑ってしまいそうになったのを必死で堪えていたという事は,あたしだけのヒミツだ。
「なにちゅくゆ?」
「ん〜…そうだねぇ…まずは,簡単な物から挑戦してみようか。」
「あ〜い♪」
あたしは,作り方が書いてあるレシピ本を確認する。
「コレとかどうかな?」
「…ごみゅ?」
「そう。髪の毛を束ねるゴムだよ〜。」
あたしは,使う材料をレシピ本で確認し用意して,使わない物は少し離れた所に置いて,早速作り始めた。
あたしが先にお手本となる様にすると,璃桜くんは同じ様に一所懸命に真似て取り組んで居る。
「ママ,こにょちゅぎは?」
「この後は,ママの仕事道具の1つ…このネイルドライヤーを使って…約3分くらいかな…このライトに当てて…」
ライトが消え,レジンが硬化したかを確認した後,裏返しにして,裏側も同じ様に3分ライトに当ててレジンを硬化させ,ミルキーカラーのレジンを重ねて再び約3分ライトに当てる。
しっかり硬化したのをチェックしたら,周りを綺麗に紙ヤスリで削る。
「後は,このゴムを通した足パーツの裏面になる方に接着剤でくっ付けて…」
「くっちゅけて…」
「出来上がり」
「できやがり〜♪」
出来上がったモールドのヘアゴムを,璃桜くんはあたしに見せて来る。
「上手上手」
あたしが『パチパチパチ…』としながら褒めると,璃桜くんは万遍の笑みを浮かべた。
「ママ…ぁぃ,あげゆ」
璃桜くんは,出来上がったばかりのヘアゴムをあたしに手渡して来る。
「ママが貰っていいの?」
あたしは,璃桜くんに確認しながら出来上がったばかりのヘアゴムを受け取った。
「ありがとね。大切にするね。今日は,この髪型を崩せないから,明日から早速使うわね」
「うん。ボク,もうひとちゅ ちゅくゆ〜」
あたしは,首を傾げながらも,璃桜くんが1人で作ってる所を見詰めて居たのだ。
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