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時間を忘れて璃桜くんとハンドメイドをしていると,玄関の扉が『ガチャ』っと開く音がして,思わず時計を見て時間に驚いた。
「もう,こんな時間だったのね...」
「んゅっ?」
「ココちゃん,璃桜...待たせてごめんねぇ〜。ちょっと遅くなっちゃった...」
「パパ〜♪」
姿を見せた慎さんに璃桜くんは駆け寄る。
「璃桜,ママと何して遊んでたの?」
「んとね....んと....?ちゅくってあしょんでたの〜♪」
慎さんは,“作って遊んでた?”っと首を傾げながら,あたしの方に視線を向ける。
「このUVレジンでアクセサリーを作ってたんだよ。ここに置いてるのと,あたしが着けてるピアスが璃桜の手作りなの」
あたしは,テーブルの上と自分の耳を分かる様に指で差す。
「......」
「慎ちゃん?」
あたしは,黙り込んだままの慎さんが気になり,反応を待った。
「これ...本当に璃桜が...?」
あたしは,『コクンッ』っと1つ頷く。
「危ないトコロとかは,あたしが手伝ってしたけど...レジンを硬化させたりするのは,あたしの仕事道具,ネイルドライヤーだから,使い方を教えたら,璃桜が自分でしてるし...」
慎さんは,璃桜くんを抱っこしてリビングにあるテーブルへと近付いて来る。
「璃桜にこんな才能があったなんて...。知らなかったわ。」
「ちゃいのう?」
璃桜くんが慎さんに抱っこされた状態で,首を傾げる。
「そうよ? こんなに上手に作るなんて....パパ気付かなかったから... 凄いわ」
慎さんが璃桜くんに頬擦りしながら微笑むと,璃桜くんは,“たのちかったの〜”っと慎さんに笑い掛けて,首へと抱きつく。
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