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1. とにかく逃げましょう
とある昼下がり。
生徒達は年内最後の期末テストを終え、開放感に満ち溢れていた。
例に漏れず、私『白石さつき』も上機嫌で帰路につこうと廊下を軽やかな足取りで歩いていた。 なんならステップでも踏めそうなくらい。
今日は結構いい1日だった。
鉛筆頼みで書いた解答が見事正解だったり、ヤマをはった問題がそのままでたり、失敗だろうと思っていた青汁バナナシェイクとかいうジュースが意外においしかったり。
そうだ、今日は部活も休みだし女子剣道部のみんなと甘いものでも食べに行こう。
なんていい1日。
…で、終わるはずだった。
だったのだ。私の幼なじみである彼に呼び止められるまでは…。
機嫌がよかった私は快く話を聞いた。
が、その“話"とやらを聞き終わった瞬間私の体は全速力で彼から逃げていた。気がついたらもう陸上部も驚くような速さで。
もちろん彼も鬼のような形相で追いかけてきた。先生方の廊下を走るなという声も一瞬で消えてなくなるくらい、私と彼は学校を走り回り……
ついに私は捕まってしまった。
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