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…さき
く…さき…
「黒崎っ!」
「!!」
体がガクンと落ちる感覚がして目を開けると、そこには心配そうに瞳を震えさせた白石が顔を覗き込んでいた。
一瞬どうしたことかと現状を飲み込めずにいたが、どうやら食事をした後また夢の世界に行っていたらしい。
頭の奥がビリビリと痛く、短時間のうちにとても嫌な記憶を夢で追っていたらしかったが内容までは思い出せなかった。
ただ、とても悲壮な顔をしていたらしく、それは自分の顔を覗き込む白石の顔を見たら明白だった。
「大丈夫?酷い顔してる。青いし、汗も…」
「!…大丈夫だから、気にすんな…」
心配して頬に触れてこようとした白石の細い指を思わず跳ね除けてしまった。小さくごめんと呟く彼女に罪悪感が芽生える。一体俺は何をしてるんだ…
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