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「よくアイツの本性が分かったな。今そのヘタレ具合と駄目加減があいまって現在最高値を迎えている。もう俺達では手に負えん。しかしアイツ無しでの全国制覇は不可能だ」
蓮が、あの鉄仮面蓮が不安に眉を下げた。こんなことは今まであり得ない。
…だって、蓮には可哀相だけど私にだって権利がある。嫌だ死んでも嫌。何されたわけでもないけど、それだけ私は“アイツ”を受けつけられない。
“アイツ”の顔が頭をよぎる。
……………………………うん、嫌だ。
「それでも却下よ」
「そうか。お前は俺が胡桃沢に葬られてもいいのか?」
「その魔王がいるから男子剣道部に関わるのもっと嫌なのよ!どうせこのお願いも胡桃沢の思いつきでしょ?」
「…やむを得えん」
「え?」
と言った瞬間私の意識は完全に落ちた。蓮が手刀を私の首に落としたのだ。私、一応女の子なんですけど。
「俺も命が惜しい」
白目をむいた私は蓮に米俵のようにかつがれて、魔王の待つ屋敷、否道場へと無惨にも連れて行かれるのだった。
「協力してもらうぞ。黒崎を更生させてくれ」
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