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「部ではあんまり公にしてないけど、ここしばらく黒崎が学校に来てないんだ。部活にも顔を出さないし連絡も取れない。確かに今までこんなことは多々あったけど…どうにかなってきたんだ」
「だが今回は俺の連絡すら受け付けてもらえん」
橙山君がめずらしく、その太い眉をさげた。
「部活や建前上ではクールだのなんだの言われてるけど本当はメンタル的に弱い子でさ。でも今回みたいな事を何度も続けられると…」
「首切ればいいじゃない」
「僕だって黒崎を煮て焼いて掻っ捌いて食わずに山にでも捨ててやろうと思ったさ。でも紫藤が」
「全国制覇には不可欠だと言っただろう」
「うー…」
「だから君に頼んでいるんだ。君しか彼を救えない…うちのブレーンがこう言ってるんだ。紫藤の言うことに間違いはないって、さつきだって認めてるだろう?」
「それは!…そうだけど…」
なんで私?
強く思うけれど蓮の言うことはだいたい正しい。
たくさんのデータや計算から導き出されている。だからこそ全国にまで名が知れ渡る部になったと言っても過言ではない。
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