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ようこそ、サンタクロースサークルへ
目の前が真っ暗になった冬からしばらく経った春。
兵庫県にある大学の二回生になった那須野繁はたくさんのサークルのパンフレット配りを無視して、まっすぐゼミ室に向かおうとしていた。
その時である。サンタクロースのコスプレをした女の子が繁の肩を強く握った。
「そこのカッコいいお兄さん! 一緒にサンタクロースサークルを立ち上げてくれませんか?」
サンタクロースサークル?
繁はわけのわからないことを言っているコスプレ女を無視してほどこうとした。
しかし、少女は純粋無垢な瞳で繁をじっと見つめた。自分のやっていることに対して、何も恥ずかしいように。繁は無視してもついてきそうな感じがして、仕方なく名前だけを聞いてやることにした。
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