まばたきよりも短くても

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 ベルの周囲に光り輝く魔法陣が出現する。そこから迸る光はベルを包み、そして、後ろ足を形成し始めた。 「今から君に、なくしてしまった足を授けるよ。そうしたら君は、お嬢様のもとに帰って、介助犬の役割を果たせるようになる。……お嬢様と一緒にいられるようになるんだよ」  魔女は笑って、輝き続ける魔法陣の光を指先でなぞる。光はどんどん強くなり、ベルの体の異変もどんどん強まる。足だったところに、何もなくなってしまったそこに、ほのかな熱が灯り始めた。どくん、どくん、そこにないはずの足が、脈打っているのを確かに感じる。  これが、魔女の力なのだ。 「ベル、お嬢様のことは好き?」 もちろん、大好きだ。  魔女は、魔女だからだろうか。ベルの感情を、言葉にできない思いを正確に汲み取れるようだった。彼女はとても優しく笑う。 「君がお嬢様を好きで、よかったよ。……これからも、ずっと一緒にいてあげるんだよ」  そんなの、魔女に言われるまでもない。お嬢様に出会ったその日から、ベルの気持ちは変わらない。ベルの一生は、お嬢様への捧げものなのだ。
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