さくら さくら

猫

　冷蔵庫から冷たい緑茶をもらって一息つくと、ソファに座って椎名に送る写真を選ぶ作業にとりかかる。
　どれにしようか迷っている私の隣にもえぎさんがやって来た。膝に乗ったりはしないけれど、ぴったりと体を寄せ目を閉じる。さすがに遊び疲れてお休みになるようだ。
　もえぎさんの温もりを嬉しく感じながら、とりあえず３枚ずつ写真を厳選した。どれもかわいくて、正直目移りしてキリがない。お留守番中の様子を報告する意味でも、それをまず佐倉さんへ送った。
　期待していなかった返事はすぐにきた。よく撮れてると褒めてくれて、帰ったらほかの写真も見せて、と。邪魔をしてしまったようで、佐倉さんの来訪を心待ちにしていた先輩さんには少し申し訳なく思う。
　佐倉さんからお墨付きをもらえたので、椎名に写真を送った。椎名も今日はお休みの筈だ。もしかして出掛けているかもと思ったけれど、椎名の返事も早かった。
　猫好きの椎名の目から見ても、もえぎさんとあさぎくんはかなりかわいかったようだ。自分だって猫と一緒にいるのに、触ってもふもふしたい～！と、ものすごく羨ましがられてしまった。つい嬉しくなって、知っている限りのエピソードを付け加えた。うちの子が一番という、親バカになる飼い主さん達の気持ちが分かる。