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「はぁー、楽しかった!意外とお化け屋敷ってのも舐めたもんじゃないな。楽しかったな!
あれとか怖かったよ!ほら、障子から手が、ばーんってさ!吃驚するわ、マジで。
あと何だっけ、あの出口にいた人?あれも不気味だったよなー。……あ、そーいや、そういう怪談あるよな?出口にいた人が、実はマジもんの幽霊だったってやつ。……なあ、あの人、幽霊じゃないよな?
…………ははっ!だよな!あれは本物の人だよな!僕は見てないけど?って言われたら、どうしようかと思ったわ。
てかさ、津向って怖いの、本当は苦手なんじゃないの?
…………嘘つけえ、お前本当は超怖がりなんだろ?強がんなって。
何で?だってお前、途中から俺の手、ずーっと握ってきてるじゃん!確か、障子の辺りからか?もう手汗ヤバいんだけど。いい加減離せよ、カップルじゃねえんだし。変な目で見られるからよー。ったく、これが彼女の手ならあったかいのになあ。お前だと暑いよ」
「……あれ、何でお前、後ろで腕組んで歩いてんの?」
そう言った彼の、お化け屋敷でも聞かなかった絶叫を聞いたのは、ほんの数秒後の事だった。
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