そして

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「きく……?!菊!!」 輝吉は菊を抱きしめて揺り起こした。 初めはぼんやりしていた菊は目をパチクリしていたが、輝吉の腕の中にいるのを実感すると、大きな瞳から涙が頬に伝っていった。 「てるよしさぁんっ……ゎたし、かぇってきてしまぃました」 ひとしきり抱擁していたら、輝吉の後ろから蘭が声をかけてきた。 「……お母様?」 「蘭ちゃん、母上は蘭ちゃんをずっと見てました。こんなに……大きくなって」 菊は母親らしく振る舞っていたが、どこかぎこちなかった。 それもそうだ、五年も会ってなかったのだ。 それでも蘭は母親は菊だと分かったらしく、嬉しそうに胸の中に飛び込んでいった。 「お母様っ……おかあさまっっ」 その抱擁を輝吉はクスリと笑ってみていた。 その影で梵天とマークは微笑ましく見ていた。
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