1人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
純太の話では スマートフォンとは別のICカードタイプの電子チケットなら駅の改札ゲートは通り抜けられるとのことだったが、スマートフォンの不都合がこれほどまでにいろいろな方面に影響を及ばしていることに改めて驚かされた。
学校の図書館にあるパソコンの末端で 情報を得ようと出て行った 井上祐二が走って返ってくると 興奮した顔で、集まっていた旬達に仕入れて来たばかりの情報を伝えた。
「3時に、政府からの緊急会見が行われるそうだぞ。」
「何があったんだ、大きな事件、テロでも起きたのか・・・」
「通信テロなのか。」
旬たちは 仲間たちと連れ立って 名京大学に隣接する 中央テレビの壁面に付けられたサテライトの大画面モニター前の芝生広場に行く事とした。
3時に予定されているという記者会見まで20分近くの時間があるのに、芝生広場のベンチには すでに数百人の学生や 通りすがりのビジネスマン、近所の人たちが集まり始めていて、スマートフォンの通信障害を始め、身の回りで起き始めている特異な症状について集まった人たちがそれぞれ疑問をぶつけあっていた。
「ネットも見られないし、何が起きているんだろうな・・・」
旬は芝生の上に置かれた石の上に腰かけて 隣に座た上坂 颯に問いかけた。
中央テレビの壁面のサテライトの大モニターでは午後ワイドショー的なトーク番組が流されていたが、音声を聞き取ることが出来ず、放送内容を詳しく認識することが出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!