2. 緊急防災放送

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2. 緊急防災放送

予定時間が大きくずれた 午後3時15分になって 記者会見場の様子がざわつき始めたのが伝わってきた。 突然、大学近くの 防災スピーカーのチャイムが鳴り響き、芝生広場に集まっていた人達のざわめきを打ち破るような案内放送が流された。 「こちらは名古屋市広報です。 ただいまから 緊急防災放送をお送りします。」 「テレビ画面、ラジオ放送でも 同時放送を流しますので、お近くにテレビやラジオをお持ちの方はご覧ください。」  こんな 緊急放送は聞いたことが無かった。 よほどの緊急事態が起きたのだろうと 集まった人たちを大きな不安が襲った。  「内閣総理大臣の大泉伸次郎です。」 それまで 中央テレビの大画面モニターのスピーカーの聞こえるか聞こえないかの音声だったスピーカーの声が 各地の防災スピーカーからの音声と混ざり合って、エコーが発生しているかのような会見場の音が流され始めた。     
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