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姿も知らないあなたが生きる意味をくれる
わたしはあなたの姿を知らない。彼なのか彼女なのかも知らない。
毎日がもどかしく切りなく過ぎる中で、遣る瀬無さを感じていたわたしに、ひと時の休息をもたらすのがあなただった。
温かなあなたに包まれた時、わたしは無性にほっとする。
わたし、明日からもちゃんとやっていける。
無理はしないでと囁くように、毎晩包まれるそのぬくもりがわたしのジレンマをすっと溶かす。
時々そのぬくもりが優しすぎて、すーと溢れる涙は、わたしが生きている証なのだろう。
温かいその感覚と優しさに包まれて過ごす夜は、わたしの最高のひと時だ。
そっと抱きしめるその感触がわたしの全てを溶かしていく。心が穏やかに、全てのことが美しいように感じられるひと時。
もちろん、朝を迎えればいつも通りが待っているけれども、彼かも彼女かもわからないあなたのその優しさは、わたしを生きる道へ捧げさせてくれているような感覚を植え付ける。
わたしは眠りの中で安堵して、何度もわたしを抱きしめるそのぬくもりに心地良く身を委ねる。
見えないあなた。知らなくても構わない。
あなたが与えてくれる優しさやぬくもりがわたしを活かす。
朝が来ても、淋しさは何故かそこにはない。
抱きしめて、温かな優しさをいつだって与え続けてくれるから、わたしは今日も笑顔で優しい自分であられるのだろう。
離れ難さは否めないけれども、夜になればまた、あなたが包み込んでくれると思えば、どんなことでも動じずに在れる自分に気づいた。
そして、わたしは思った。
わたしは幸せなのだ。
それはあなたの温かさのせいだと知っているかしら？
姿もなにも知らないあなたが、今日もわたしを生かし続ける。
だからわたしは、朝になればいつだって、真っ直ぐ前を見据えて歩き出せる。
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