障害の多いパズル

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 この世は皆、自分のパズルを持って生まれてくる。 様々な色のピースをはめ、死ぬ直前に自分の完成したパズルボードを眺めるのだ。 もちろん完成させられず終わる人も多い。 そんな人のパズルは、無念の赤いピースが多くなる。  少女Nも、自分のパズルを持って生まれた。 Nは淡々と一人でパズルを進めていったが、人より進みが遅く不出来であった。 ふとNが周りを見渡すと、皆が色鮮やかなピースを使っている中、自分のピースは白一色だと気が付いた。 白いパズルは柄から場所を推測できない分、普通のパズルより難しいのだ。  Nは泣いた。 何故こんな難しいパズルを解かなくてはいけないのだと。 周りが狡いと。 幼稚園の頃は、皆各々のパズルを一人でやっていた。 でも今は友達で集まったり、よく分からない親密な二人がこっそりパズルをやっていたりする。 でもNは自分の真っ白なパズルが恥ずかしくて、誰にも声を掛けられず、また絶対に誰にも見られない様にこっそりと人より遅いペースで惨めに続けていた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!