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「アッチの世界で強い恨みやつらみ、不満を抱えた人間が、こっちの世界に意識だけ転移してくる。
もちろん、ふつうなら考えられないことです。
常識では考えられない。
理屈ではありえない。
理を、断つ行為。
ゆえに断理と、そう、呼んでいます。
自分たちの所属する組織では」
「それが……それが怪人の正体なのか……?」
うなずく。
「き、キミはーー」
男は平行世界の娘が乗り移った娘に言う。
「向こうでは死ななかった之宣くんにもてあそばれた。
だから、こっちの世界で、之宣くんの家族を殺したのか?」
「ええ」
「だがこっちの世界の之宣くんはすでに死んでいるんだぞ?」
「それでも」
娘は言う。
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