三話 裏切り者

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「今度こそ本当にやったんか……?」  地面に倒れたカマキリを、毒島たちが取り囲んでいた。 「ぐおんっ?」  もう一発いっとく?  みたいな感じで太神が前足を振り上げる。 「待って、太神」  左兎がそんな太神を止める。  カマキリの全身に、変化が訪れていた。  体中が光の粒子に覆われている。  そして。  次の瞬間。 「なんやて!?」  カマキリの体は、一瞬にして縮み、なんと、人間の姿に変わっていた。  二十代ぐらいだろうか?  背広姿の、とりたてて述べるほどの特徴はない、石を投げればぶつかりそうなほど平凡な青年だ。
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