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「今度こそ本当にやったんか……?」
地面に倒れたカマキリを、毒島たちが取り囲んでいた。
「ぐおんっ?」
もう一発いっとく?
みたいな感じで太神が前足を振り上げる。
「待って、太神」
左兎がそんな太神を止める。
カマキリの全身に、変化が訪れていた。
体中が光の粒子に覆われている。
そして。
次の瞬間。
「なんやて!?」
カマキリの体は、一瞬にして縮み、なんと、人間の姿に変わっていた。
二十代ぐらいだろうか?
背広姿の、とりたてて述べるほどの特徴はない、石を投げればぶつかりそうなほど平凡な青年だ。
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