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だがそう思う一方で、確かにこの男の特徴は、カミオロシのそれにぴったりとあてはまっていた。
「ぶ、毒島、どないなっとんのやこれは!」
大阪が言う。
「………………」
毒島は答えない。
自分にわかるわけがない――とも、完全には言い切れなかった。
少しばかり、毒島には……毒島の中の人には、心当たりが、ないでもなかった。
おそらくはこの世界のもととなったであろうゲームではーー怪人=コトワリから帝都を守るのが基本的なストーリーだった。
毎回怪人があらわれ、主人公たちが調査し、その正体を推測し、夜になるとあらわれる怪人を退治する、と。
それが、しばらく繰り返される。
が、それだけでは物語は終わらない。
中盤以降、その怪人を、裏で操っている組織の存在が示唆される。
今毒島たちがいるこの里に、かつて、とある女性がいた。
その女性は、素行不良で、邪悪な心を持つとして、十数年前に里を追われていた。
女の名は極北闇子(きょくほくやみこ)。
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