三話 裏切り者

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 だがそう思う一方で、確かにこの男の特徴は、カミオロシのそれにぴったりとあてはまっていた。 「ぶ、毒島、どないなっとんのやこれは!」  大阪が言う。 「………………」  毒島は答えない。  自分にわかるわけがない――とも、完全には言い切れなかった。  少しばかり、毒島には……毒島の中の人には、心当たりが、ないでもなかった。  おそらくはこの世界のもととなったであろうゲームではーー怪人=コトワリから帝都を守るのが基本的なストーリーだった。  毎回怪人があらわれ、主人公たちが調査し、その正体を推測し、夜になるとあらわれる怪人を退治する、と。  それが、しばらく繰り返される。  が、それだけでは物語は終わらない。  中盤以降、その怪人を、裏で操っている組織の存在が示唆される。  今毒島たちがいるこの里に、かつて、とある女性がいた。  その女性は、素行不良で、邪悪な心を持つとして、十数年前に里を追われていた。  女の名は極北闇子(きょくほくやみこ)。
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