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毒島は思う。
このカマキリは、その見逃された者なのではないだろうか。
極北闇子が生み出した神の一体が、先ほどの巨大カマキリだったのではないだろうか。
それなら、すべて、つじつまが合う。
ゲームとは展開が異なるものの、闇子がバックにいるのだ。
そう考えれば、この状況も、納得はいく。
「………………」
ただ、確信はないし、この世界の毒島一琢が今現在、その情報を知っているわけがないので、大阪や左兎にそれを話すことは出来ないが。
「どうしたんや毒島? なんや心当たりでもあるんか?」
「……だったらいいんだが。自分にはさっぱりだ」
ふぅ、と、両手を広げ見せる。
「そうか……まぁ、そうやな。
こんなん誰も説明できひんわ」
大阪は、地に付した元カマキリ、現人間をこつん、とつま先で蹴る。
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