三話 裏切り者

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「しかし幸せそうな顔で寝てんなぁ、この兄ちゃん。  なんやムカムカしてきたで。  顔におちんちんでも書いたろか」 「やめとけって……」  懐から筆を取り出した大阪を軽くたしなめたところで、 「がおうぅっ!」 「うわぁ、なんやっ!」  太神がいきなり威嚇してきて、大阪はしりもちをつく。 「な、なんでワイに」  突っかかるんや。  と、大阪は言いたかったのだろう。  だが、その言葉が言い終わることなかった。  毒島は、見た。  一瞬前まで大阪が立っていた場所に、大きな穴が開いているのを。  さらに、気絶している元カマキリの男に、何か白い糸のようなものが引っ付ているのを。 「な、なんや……なんなんやこれは……」
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