雪の朝

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 「レインがいるところは、梳かさなくてもいいぞ」  グリンが言った。  「わかった!」  ニッキは丸太の椅子の上にのぼると、グリンの頭の半分くらいのところに櫛をさし入れた。  「いてて」  「あっ、ごめんね。すごくからまっているんだ。どうする? もうやめる?」  グリンはちらりと床を見た。床の上には、グリンの抜けた毛が上等な絨毯のように散らばっている。  「もういいんじゃない? たくさんあるよ」  「そうだな。オレもそう思う」  「やったー、終わった!」  ニッキは椅子から飛び降りて、窓から外を覗いた。  「雨だったらいいなあ」  雨が降ると、グリンとニッキとレインは森の真ん中あたりにある、カメレオン店長がいる喫茶店に出かけていく。森の喫茶店には屋根がないから、雨の日はお休みだ。けれどカメレオン店長はグリンとニッキとレインには「雨の日においで」と言う。一人と二匹と一羽でのんびり過ごす休日が楽しみだからだ。  グリンとニッキとレインも、カメレオン店長の喫茶店に行くのが大好きだ。  「雪だ!」  ニッキは大きな声で叫んで、家から外に飛び出した。ニッキが走ると、白い雪に足跡がついて、あとを追いかけてくるみたいになる。  「うん。雪が降ってるな」     
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