男は叫ぶ。この世のありったけの声で。

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おトイレに入っても、彼の視線が途絶えないような、気がした。完璧な監禁罪だ。気持ち悪いわ。 格好も悪い。自分で知ってる。でも、何だか彼は高かった。頭が良かった。 トイレを見る振りをして、祝詞をあげた。彼は陰陽師。完璧だって、ふぅん。私は恐ろしくも、その悪魔の犯罪者に身を捧げた。 こうなったのも、全部、自分のせい。 私は、彼の手を取り、家の外へ駆け出した。 ねぇ、安寿、こういうのって恋愛って言わないよね。恋愛って、綺麗で、もっとこう、神聖だよね。 こうして、私は、彼と別れた。自分を見つめ直した彼は、以前と変わったが、私は彼を軽蔑してる。 だから、警察さん、街のみなさん、ごめんなさい!! 私は、果たして彼を待つのか?それは、わからない。神様だって。 だって私自らが決めることだ。自分の意思で考えることだ。 私は、また、一人。 性欲が満たされなくとむも、何だか何かが、満たされた。
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