「…それじゃぁ!」

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「…それじゃぁ!」

"ピンポーン、ピンポーン…" 「こんにちわー宅急便でーす、 芹澤さーんお荷物をお届けに参りましたー」 「ハーーーイッ よいしょよいしょ…今開けまーーす!」 カチャカチャッ…カチッ! 「あ、芹澤ひとみ様ですね?」 「んしょっ…はいそうです。」 「お荷物ですッ!ここに認印かサインを…」 「あ、はい…ちょっと待ってて下さいねー よいしょよいしょ…ドンドンドンッ…」 3分ほど過ぎて… 「ドンドンッよいしょッ…ドンッ すいませーんお待たせしてぇー ここで良いですかぁー?」 「はい、お願いします…」 ボンッ 「はい」 カサカサッ… 「ありがとうございます…お荷物、 中までお入れしましょうかぁ?」 「よいしょッ…あぁ、すいません。 じゃあ、そこまでお願いします…ドンッ」 「はい、わかりましたぁー」 トンッ 「ここで宜しいですかぁ?」 「ドンドンッ…あ、はい。 ありがとうございますー…すいませーん。」 宅配ドライバーはポケットから何か取り出した… 「それとー…これは、サービスですよ?」 「え?これはー?!…」 「使いかけですけど、さっき開けたばかりなのでまだまだ使えます…お腹に貼って下さい、冷えますからねぇ…それじゃぁ!」 「あ、はい!ありがとうございます。 ご苦労様でしたぁー…」 宅配ドライバーは、開封したばかりの使い捨てカイロを妊婦の私に荷物と一緒に渡した。 午後7時…外もだいぶ冷えてきてるのに… その2日後、無事に出産する事が出来た。 あの時の、宅配ドライバーさんが置いて行った冷えた夜のカイロの温もりのお陰で、安産になった事を今度配達に来たら新しく買ってきたカイロと一緒に伝えようと思った… 。 おわり
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