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ホームのベンチで
普通の人にはドラマティックな事など無い。
漫画や小説のような展開に陥る人は、世の中にどれだけ居るのだろうか。
そこのホームのベンチでずっと座っている彼もまた、何も起きない大多数の1人だ。
学生服を着たその彼は朝からずっとベンチに座っている。
何をするでもない、ただ彼は待ってるだけだ。
通勤通学ラッシュで人がごった返す中、座ったまま何となく行きかう人を眺める。
更に時間が立ち、壁のように目の前に居た多くの人々はすっかり居なくなっていた。
10時近くなると買い物に向かう主婦が増えて来る。
座っている彼に視線を向ける者も居るが、みな他人事のように去って行く。
やがて12時を過ぎるが彼は座ったまま。
彼はまだ待っていた。
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