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「ガラスが割れて、僕の肌が傷ついたら困るものね。商品を傷つけるな。そう、教育されているんだろう? おまえが僕を振り払えば、僕はあのランプを倒すよ。僕を傷つけたくないなら、そうやって大人しく寝ていることだね、怪士」
アザミは笑いながら上体を倒して、能面の唇にキスをした。
温度のないキスだ。
それでいい。
それぐらいが、アザミにはちょうどいい。
「どうせ、一度も二度も同じだよ。おまえは既に、禁忌を破っている」
アザミはもう一度、能面越しにキスをして。
体の位置を下げると、黒装束の腰ひもを解いた。
「アザミさま」
咎めるような声が、男の口から漏れる。
それに微笑だけを返して。
アザミはくつろげたそこへと手を侵入させ、ごそり……と探った。
平常時でもかなりの質量を持った男の肉棒に、細い指を絡めて。
アザミはそれを、外へと導き出した。
「相変わらず、大きい」
うっとりと目を細めて。
アザミは怪士の逸物を手で扱き始める。
手淫によって強引に快感を引き出された男の、腹の辺りにちからが込められた。
鋼のような筋肉が、黒い生地越しにも見て取れた。
反応を見せ始めた陰茎を、アザミは口に含む。
男のそれは大きくて、全部を収めることは難しかった。
数えきれないほどの男に抱かれてきたアザミだが、この怪士の牡が、たぶん、一番大きい。
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