第2話

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「ガラスが割れて、僕の肌が傷ついたら困るものね。商品を傷つけるな。そう、教育されているんだろう? おまえが僕を振り払えば、僕はあのランプを倒すよ。僕を傷つけたくないなら、そうやって大人しく寝ていることだね、怪士」  アザミは笑いながら上体を倒して、能面の唇にキスをした。  温度のないキスだ。  それでいい。  それぐらいが、アザミにはちょうどいい。 「どうせ、一度も二度も同じだよ。おまえは既に、禁忌を破っている」  アザミはもう一度、能面越しにキスをして。  体の位置を下げると、黒装束の腰ひもを解いた。 「アザミさま」  咎めるような声が、男の口から漏れる。  それに微笑だけを返して。  アザミはくつろげたそこへと手を侵入させ、ごそり……と探った。  平常時でもかなりの質量を持った男の肉棒に、細い指を絡めて。  アザミはそれを、外へと導き出した。   「相変わらず、大きい」  うっとりと目を細めて。  アザミは怪士の逸物を手で扱き始める。  手淫によって強引に快感を引き出された男の、腹の辺りにちからが込められた。  鋼のような筋肉が、黒い生地越しにも見て取れた。  反応を見せ始めた陰茎を、アザミは口に含む。  男のそれは大きくて、全部を収めることは難しかった。  数えきれないほどの男に抱かれてきたアザミだが、この怪士の牡が、たぶん、一番大きい。     
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