あの時のあの場所の

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「お前、もう、死んでしまうぞ」  もう死んでしまいたい。 「生きていることの歓びを感じたのは、もういつの頃だったかしら」  私はどこかで望んでいる。私という生きた全ての完全な消滅を。  私の心臓は流れ込む苦しみの淀みに、もう鼓動をやめてしまった。  私の血は悲しみを流し過ぎてもう色を失ってしまった。  ・・・、  ただもう終わってしまったはずのあの場所に  ただ日の丸だけが今も  赤く燃えている。
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