隣人

彩子は 息子の進学をキッカケにアパートを探していた。

どうせなら学校の近くが良いと主人も賛成だったので 歩いて行ける距離の物件を探した。

ちょうど、学校から５分くらいの所に ちょっと古いが 日当たりも良く 駐車場が無料の所を見つけた。

１階３件、２階３件 の小さなアパートで、２階２つが空き部屋だった。

早速 部屋を見せてもらうことにした。

真ん中と右端が 空いている。

不動産屋さんは笑顔が良い感じのいい人だった。

「真ん中のお部屋から見ますか？日当たりがとても良いんですよ」

と案内してくれた。

中は 思ってたより綺麗だ。
まぁまぁ、良いかな、ここで。

「因みに下の方は １人暮らしですか？生活音とか大丈夫でしょうか？」

不動産屋さんがニコニコして答える。

「下の方は ご家族で住んでいらっしゃいます。お子さんもいらっしゃいますよ、たしか。
右下の方は １人暮らしの男性ですね」

「あ、そうですか・・・それじゃぁ、こっちの方が良いですね、家も家族だし、１人暮らしの方だと、音うるさいって言いますからねー、笑」

「そうですねー、隣よりこちらの方が綺麗なんですよ、何年か前にリフォームしてますし、こちらにしますか？」

「はい、じゃぁ、お願いします！」