隣人

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(どうせ 高校3年間 終わればまた引っ越すかもしれないし、とりあえずいいかな・・) と、話を進めた。 書類が出来次第 連絡をもらう約束をし、駐車場で不動産屋さんと別れた。 帰り際 ふと、右端の部屋が気になって振り返った。 (一応 見ておけば良かったかな・・) と思いながら車に乗り込んだ。 1ヶ月後 卒業、引越し、入学 と忙しく過ごし、荷物が片付いたのがゴールデンウィーク前だった。 時々 何か音がするが たぶん大家さんが来て掃除しているのだろう。 夏になっても 相変わらず隣は空き部屋だった。 暑さが厳しい晴天の日。 彩子は 近くのコンビニから戻る途中、ふとアパートの階段を上って行く男が見えた。 (あれ?息子?まだ 昼なのに・・・早退かな?) 彩子は走った。息子はカギを持っていない。 近くまできた彩子は 部屋の方へ向かって歩いている男を見て息子だと確信した。 (やっぱり!そうだ!どうしたんだろう?) 息子は 右隣の部屋の前を歩いている。 一気に階段を駆け上がり 角を曲がった。 誰もいない・・・ (え?あれ?) その先は 行き止まり。 すぐドアノブを回したが カギがかかっている。 階段を下り その辺にいないかキョロキョロ見たが 誰もいなかった。 (だって・・上から下りてきたら私とすれ違うはず・・) (もしかして カギ持ってたのかな!)     
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