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ジャンッ!
「コンビニものばかり食べて、不経済であるばかりではなく、不健康この上ない。うちでも美味なものが味わえることをしれば、生活習慣が改まり、肌の艶もよくなろうというもの」
と、まさみ伯母が言ったかどうかは分からない。
しかし、ほうきに「それ」が仕込まれていたのは事実であり、しかも奴は、それを実際に使ってしまっているのだった。
なんでも、食べる人の好みの味になる魔法の調味料。
黒山田まさみ作。
(伯母さん、あんた何をやってるんだ……)
**
居間のちゃぶ台をはさみ、わたしはほうきと向き合っている。
直立不動状態で、ぶるぶる震えて視線(?)をそらしぎみのほうきを、徹底的に追及する姿勢でわたしはまなこに力を込めている。
「魔法の調味料を入れると、そりゃあ美味しいものができるのよ。愛ちゃん、ぱくぱく食べてくれたじゃない」
ほうきは開き直ったような口調で言った。語尾は震えていたけれど。
「副作用はあるけれど、普通はそんなに大したことないのよねん」
ちょっと便秘気味になるとか。
ちょっと眠たくなるとか。
その程度だという。「普通」ならば。
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