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シルエットは峰不二子、体毛はアランドロン、首から上は、ロッテンマイヤーさん。
(合成獣。キメラか)
「明日くらいには作用は消えるはずよー」
と、ほうきは言った。
今すぐにでも、ほうきをへし折ってやりたい衝動を堪えながら、わたしはコンビニ弁当を広げて食べ始める。二度と、こいつの作った料理を喰う事はないだろう。
(それにしても、これ以上他に、伯母がほうきに仕込んだ余計なことはなかろうな)
変なフェロモン化粧水だの、気色悪い調味料だの、頼むから変なもん仕込まないでくれ。
「あっらー、まさみちゃんは、愛ちゃんのことが心配で仕方がないのよぉ」
またしても思考が筒抜けになっていて、ほうきは品を作りながら、そう言ったのだった。
「愛ちゃんは魔女に向いていないのに、魔女になってしまったって、まさみちゃん思ってるわよ。まさみちゃんには分かるのよ、愛ちゃんがあともうちょっとで、魔女から脱出できることを」
愛ちゃん分からないんだよねー、ほんとにあともうちょっとで、白線の向こう側に足を踏み入れることができるのに、なぜか、こっち側から、てこでも動こうとしないのよん。ほんとにね、すぐそこに幸せがあるのに、愛ちゃんはどういうわけか、そっちを見ようとしないのよねん。
白線がね、あるのよ。
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