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ほうきはそう言った。
魔女ワールドと、普通の人ワールドの境目に、白線が引かれているらしい。
「ただの白線よー。なんの結界でもないから、気持ち一つで簡単にまたぐことができるのよー」
(白線)
中央分離帯じゃなくて、単なる白線か。
わたしはちょっと考えてしまいそうになった。だけど、そんなリリカルな言葉やら設定やらにごまかされるほど、わたしは甘くはないんだ。
見てみろ、この悲惨な現状を。どうしてくれるんだ、おっぱいなんかケツみたいになってるじゃないか?
「だっ、大丈夫よ、それ以上膨らまないと思うからっ」
わたしの目つきに気づいたか、ほうきがぶるぶるっと震えた。
カッターシャツの胸元が破れそうな勢いなんだよ。しかも、谷間からもしゃもしゃと、もずくみたいな毛が食み出してきている。
(……ハイネックの服を着て、明日一日をやり過ごすしかない……)
前はまだいい。それでなんとかなる。問題はケツ毛のほうだよ。
……手を背中に回して服の下を探ってみた。尻の谷間から腰にかけ、じょりっとした感触が走っている。
ふっと想像した。
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