ジャンッ!

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 白鈴木ドクターおよび、白佐藤セイちゃんの前で、ローライズぎみのスカートをはいて、尻を向けてしゃがみこんでみる。思わず目をさらのようにして、ぎとぎと凝視する変態二名――ふふふ、おまえらこれに耐えうるか――しかし、彼らは見るだろう、暗黒のもずくみたいなものが秘密の部分から覗いている様を。  (生半可な変態なら、白旗をあげるに違いない)  いいな。それいいかもしれない。  万一明日、どっちかに出くわす偶然があれば(考えにくいけれど)、ケツ毛チラ見せ攻撃で撃退してやろう。  ちらっと、時計を見た。  まだ21時過ぎである。おもむろにわたしは携帯を取り上げ、電話をかけ始めた。  まさみ伯母は携帯を持たない。固定電話とPCのメールだけの人である。  多忙な伯母は、日中は電話ではほぼ捕まらない。今の時刻なら大丈夫ではないか……。  壁にもたれかかり、静かになったほうきを横目で眺めながら、呼び出し音を聴き続ける。  この際、まさみ伯母に確認しておかねば。  ほうきに何を仕込んだのか。これ以上、厄介なことは起きないだろうか――ちょっと、苦情を言いたい気持ちもある――プルルルル、プルルル、電話は長い事鳴り続け、やっと、ガチャッと受話器を取る気配があった。  しかし、第一声を聞いて力が抜けた。  「はーい、黒山田どぅぇーす、てへ」  どうして、まさみ伯母宅の固定電話に、アホの妹が出るのか。  なっ、とか、うっ、とかしか言えないわたしに、妹はけたけたと声をたてて笑った。むかつく笑い方だよ。     
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