ジャンッ!

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 「あっれー、おねーちゃんじゃない。なーに、伯母ちゃんになんか用事ぃ」  残念、今夜、伯母ちゃんはいないよぉ。いろいろ忙しいんだよぉー。  かわりにあたしが聞くよと言われたが、誰がこいつに言うもんか。  「なんであたしがここにいるのか知りたいでしょー。ふっふー、実はびっくりニュースがあるんですぅ」  聞きたい、ねー聞きたい、教えてあげないよー。ジャンッ!  がちゃっと電話は切れた。  わなわなと、携帯を握る手が震えていることに気づく。なんてことか。妹に煙に巻かれてしまっている、このわたしが。  (なにがジャンだ)  頭が痛くなってきた。  まさみ伯母宅に妹がいるのはなぜか。  変だとは思うが、別にどうでもいい。それにしても、どっと疲れがやってきた。  (風呂入って寝よう……)  風呂で、おのれの体を目の当たりにし、更に疲れたことは言うまでもなかった。 **  魔法よ魔法。  魔女だのほうきだの、まるでおとぎ話みたいだと思っていたよ。     
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